嵐ときゅうり (2012.07.07)

七夕ですね~
 
昨夜は雨と風と雷がひどくて、夜中に思わずきゅうりの鉢を軒下にしまいました。
 
雷光の中きゅうりの花が、真昼の時のように明るく見えました。
 
その時昔の記憶がよみがえってまいりまして…。
 
父が余命数ヶ月の闘病生活をしていた時、突然父が「植木が心配だから‥」と裏庭に飛び出していきました。
 
雨と風の中、パジャマ姿の父親が、鉢植えのナスだったかな~、植木が折れないようにとビニールテープで支柱にぐるぐると止めていました。
「私がやるよ」と言っても話も聞かずに、一心不乱に作業をしていました。
仕方ないので、父の隣立ち尽くすしかない私と、結局2人ともずぶ濡れになっていたのです。傘をさせるような天気ではなかったのです。
 
 あの時の鬼気迫る父の形相が思い出されることがありました。緩和剤のモルヒネも手伝っていたのかなあ。時々ただならぬ行動が目立つようになっていたころだったので、幻覚のようなものが見えていたのかとも思いました。
ひょっとしたら植木鉢が、私たち家族のように思えて守ろうとしていたのか。
あるいは会社のやりかけの仕事の続きのように思えていたのか?
な~んて、あの時の行動に意味を見出そうとしたことがありました。
 
今となっては父は、嵐から植木を守りたかったのだ、それだけのことだと思います。
 
夕べ雨の中、ベランダで植木鉢をずるずる引きずっていた時に、恥ずかしながらやっと気づいたのです。
ただそれだけのことだったのだ。
 
生前父は良くも悪くも目の前の困った人を放っておけないタイプでした。
そんな父を要領よく使う人もおり、家族は心配したものでしたが、父はすべてを知っていてそれでも頼ってくる人には手を差し伸べていました。
 
あの時もただ「俺がやらねば!」と思ったのかもしれません。
私じゃあ頼りなかったんだね(苦笑)。
 
嵐の夜にきゅうりがきっかけで父を思い出せました。
 
イメージ 1
 
イメージ 2
 
イメージ 3